Wordで表を作っていたら、行の真ん中でページが切れてしまって読みにくい——
そんな経験、ありませんか?
逆に、「行が途中で分割されないように」と設定を変えたら、今度は1ページ目に大きな空白が残ってしまった、というケースも耳にします。
フリーランスのブロガーとして日常的にWordで資料を作る筆者も、報告書の最終確認で表の崩れを見つけて焦ったことがあります。
実はこのトラブル、ほとんどの場合は「行の途中で改ページする」というたったひとつの設定項目で制御できます。
この記事では、症状別に原因を整理し、正しい設定手順を図解つきで解説します。
Wordの表でページをまたぐときの症状は2パターンある
「表がページをまたぐ」トラブルは、見た目こそ似ていますが、原因と対処法がまったく逆になるケースがあります。
まず自分の症状がどちらのパターンに当てはまるかを確認しましょう。
| 症状 | 主な原因 | 必要な操作 |
|---|---|---|
| 行の途中でページが切れ、セルが分割される | 「行の途中で改ページする」がONになっている(初期設定) | チェックをOFFにする |
| 表ごと次ページに送られ、1ページ目に空白が残る | 「行の途中で改ページする」がOFFになっている | チェックをONにする |
| 「行の途中で改ページする」がグレーアウトで変更できない | 表の一部に縦書き設定が入っている | 縦書きを解除する |
パターン①|行の途中でページが切れる(セルが分割される)
1行の中に複数行の文章が入っているとき、ページ末に差し掛かると行の途中でページが変わってしまうケースです。
ひとつのセルが2ページにわたって表示されるため、受け取った側が非常に読みにくくなります。
これはWordの初期設定で「行の途中で改ページする」がONになっているために起きます。
行全体をひとつの塊として扱うのではなく、行の中の段落ごとに改ページの対象にするわけです。
パターン②|表が分割されず1ページ目に空白が残る
「行の途中で改ページする」をOFFに変更したところ、今度は1ページ目の表の下に大きな余白が生まれてしまうことがあります。これは行全体が次のページに送られた結果です。
行に含まれるテキスト量が多くて行の高さが大きいほど、次のページへ送られる行が増え、1ページ目の空白も広がりやすくなります。
レイアウトを整えるには、行の高さ調整や手動の改ページ指定が必要になってくるでしょう。
「行の途中で改ページする」設定の確認と変更手順
Wordで表のページまたぎを制御する核心的な設定が「行の途中で改ページする」です。
この設定はMicrosoft 365・Word 2019・Word 2021いずれも同じ場所にあります。まず設定の場所と確認手順から見ていきましょう。
「レイアウト」タブ(表ツール)→「プロパティ」からも同じダイアログを開けます。
右クリックのほうが操作が少なくて済むので、どちらでも使いやすい方を選んでください。
全行まとめて設定を変更したい場合
特定の行だけでなく表全体に設定を適用したいときは、まず表全体を選択してからプロパティを開くのが確実です。
表の左上に表示される移動ハンドル(十字矢印のアイコン)をクリックすると表全体が選択されます。
または表の中で Ctrl+A を押しても全行が選択されます。
その状態で右クリック→「表のプロパティ」→「行」タブと進み、チェックを変更してOKを押すだけです。
特定の行だけ設定を変えたい場合
合計行や見出しの直下の行など、特定の行だけをページで分割させたくないケースもあるでしょう。
その場合は、対象の行のみを選択(行をドラッグ)してから同じ手順でプロパティを開いて変更すると、ピンポイントで適用できます。
他の行はそのまま残りますので、レイアウトへの影響が最小限に抑えられます。
それでも解決しない場合の追加対処法
「行の途中で改ページする」を変更したのに症状が変わらない場合、別の設定が重なっている可能性があります。以下の3つを順に確認してみてください。
段落の「段落を分割しない」「次の段落と分離しない」設定を確認する
セル内の文章に「段落を分割しない」や「次の段落と分離しない」が設定されていると、表プロパティの設定よりもこちらが優先されて改ページがおかしくなることがあります。確認と解除の手順は次のとおりです。
表全体を選択し、「ホーム」タブの「段落」グループ右下にある小さな矢印(ダイアログ起動ツール)をクリックします。
開いたダイアログで「改ページと改行」タブを選び、「段落を分割しない」や「次の段落と分離しない」のチェックが入っていないか確認してください。
不要にチェックが入っている場合は外してOKを押します。
行の高さが「固定値」になっていないか確認する
表のプロパティ→「行」タブで「行の高さを指定する」がオンになっており、サイズ指定が「固定値」になっている場合、テキストが行の高さを超えても行が広がらずに表示されません。
その影響で改ページの挙動が不自然になることがあります。
「行の高さを指定する」のチェックをOFFにするか、サイズ指定を「固定値」から「最小値」に変更してみてください。多くの場合、これで意図した通りにページ送りされるようになります。
「行の途中で改ページする」がグレーアウトして変更できない場合
チェックボックスが薄く表示されていて押せない場合、表のセルのいずれかに縦書き設定が入っていることが原因です。
Wordの仕様として、縦書きのセルを含む表では「行の途中で改ページする」の変更が許可されていません。
縦書きを使っているセルを選択し、「レイアウト」タブ(表ツール)→「文字列の方向」が縦書きになっていないかを確認します。
横書きに戻すとグレーアウトが解消されます。
縦書きをどうしても維持したい場合は、行の高さを手動で調整して2ページにまたがらないようにするのが現実的な代替手段です。
複数ページにまたがる表をより見やすくする応用設定
改ページの基本設定が整ったら、長い表を使いやすくするための応用設定も組み合わせると、読み手への配慮が行き届いた資料に仕上がります。
タイトル行を各ページに繰り返し表示させる
表が複数ページにまたがるとき、2ページ目以降を見た人が「この列は何の項目だっけ?」と戻って確認しなくて済むよう、見出し行を各ページの先頭に自動で繰り返し表示させる機能があります。
見出し行(1行目)にカーソルを置き、「レイアウト」タブ(表ツール)→「タイトル行の繰り返し」をクリックするだけで設定完了です。印刷時にも有効で、受け取った側の読みやすさが大幅に上がります。
なお、この設定は印刷レイアウト表示または印刷時にのみ機能します。「下書き」表示では各ページの先頭に繰り返しが見えないため、必ず印刷レイアウトで確認してください。
手動で任意の位置に改ページを挿入する
「ここで区切ってほしい」という行を自分で指定したい場合は、手動で改ページを入れる方法が確実です。区切りたい行の先頭セルにカーソルを置き、「ホーム」タブ→「段落」グループ右下の矢印→「改ページと改行」タブ→「段落前で改ページする」にチェックを入れます。
すると、その行の直前で必ずページが変わるようになります。全体のバランスを見ながらレイアウトを整えたい場合に、「行の途中で改ページする」の設定と組み合わせると柔軟に対応できるでしょう。
Q&A【よくある疑問まとめ】
まとめ
Wordの表がページをまたぐ・分割されないトラブルは、「行の途中で改ページする」というひとつの設定で大部分をコントロールできます。
チェックをOFFにすると行単位で次ページへ送られます。チェックをONにすると行の途中でも改ページが入ります。どちらが正解かはレイアウトの目的次第ですが、仕組みを理解しておけば状況に応じて使い分けられるでしょう。
「行の途中で改ページする」がグレーアウトして変更できない場合は縦書き設定の解除を、設定後も挙動が変わらない場合は全行選択での再設定と行の高さ指定の確認をお試しください。
Wordの表まわりのトラブルは他にもあります。列や幅がページからはみ出す・別PCで崩れるといった症状についてはWord表レイアウトが崩れる原因と直し方|症状別に解決手順を逆引き解説を、WordでPDF変換後に表が切れる問題はWordのPDF変換できない・文字化けの原因と完全な直し方をあわせてご覧ください。