Power Automateで組み立てた承認フローが動いているはずなのに、承認者に通知が届かないという相談をよく見かけます。
フリーランスとしてM365まわりの検証を日常的に行っていますが、この症状は原因さえ切り分けられれば解決までは早いことがほとんどです。
今回は、メール通知とTeams通知、それぞれの原因別に対処法を整理してお伝えします。
承認の通知が来ないときにまず確認すべきこと
対処法をあれこれ試す前に、「どちらの通知経路で届いていないのか」を切り分けることが近道になります。
メール・Teamsの両方とも届かないのか、片方だけなのかによって、疑うべき原因がまったく変わってくるからです。
自分を担当者にしてテスト実行してみる
承認アクションの「担当者」欄に、フローを作成した自分自身のメールアドレスを入力し、テスト実行してみましょう。
これで通知が届けば、フロー自体はおおむね正常に動作していると考えられます。逆に自分宛でも届かない場合は、テナント全体の受信設定やフローの設定を確認する必要があります。
メールとTeams、どちらが届かないかを整理する
症状によって疑うべき箇所が異なりますので、下の表で自分の状況に近いものを確認してみてください。
| 症状 | 主に疑う原因 |
|---|---|
| メールだけ届かない | 迷惑メール振り分け・仕分けルール・受信フィルターサービス |
| Teamsだけ届かない | Teams側の通知設定・承認関連機能の無効化 |
| 両方とも届かない | 担当者欄の入力ミス・承認自体の作成失敗・通知設定の無効化 |
メール通知が届かない原因と対処法
承認フローの通知は、設定によってメール送信が行われます。
それでも届かない場合は、以下の順番で確認していくとスムーズです。
迷惑メールフォルダと仕分けルールを確認する
まず疑いたいのが、迷惑メールフォルダへの自動振り分けです。加えて、Outlookの仕分けルールによって別フォルダへ移動しているケースも少なくありません。
フォーカス受信トレイを利用している場合は「その他」タブも確認してみましょう。仕分けルールの確認方法については、Outlookの仕分けルールが適用されない原因と直し方【2026年完全ガイド】で詳しく整理しています。
承認メールの送信元は固定であることを前提にする
承認メールは、少なくとも一般的な運用では flow-noreply@microsoft.com から届く前提で確認するのが安全です。
Power Automate の承認メールは組織の外側から送信され、受信側の組織ポリシーの影響を受けます。
送信元アドレスだけに頼らず、メールゲートウェイ側で外部メールとして正しく受信できるかも確認してください。
フィルタリングサービスやMicrosoft 365グループの設定を疑う
MXレコードがProofpointやMimecastといった別のフィルタリングサービスを向いている環境では、Microsoft 365に届く前にそちらでブロック・遅延している場合があります。
IT部門に、Power Automateの承認メールが通るように、送信元アドレスや必要な許可条件をまとめて確認してもらうとよいでしょう。
担当者にMicrosoft 365グループを指定している場合、グループ側の受信設定によっては、通知が届かない原因になることがあります。
承認アクションの通知設定を確認する
Power Automate の承認では、フローが実行されたときに承認者へ通知する複数の方法があります。
既定では承認を処理するフローが電子メール通知を送信しますが、構成や環境によって挙動が変わることがあります。
フロー編集画面で承認アクションを開き、通知関連の設定や承認方式を確認しましょう。
Teams通知が届かない原因と対処法
メールは届くのにTeamsだけ通知が来ない、という場合は、Teams側の設定に原因があるケースが目立ちます。
承認アプリがテナントで無効化されているケース
Teamsの承認アプリは、組織の既定のテナントで送信または受信した承認をまとめて確認できる機能です。
Teamsで承認関連機能が見当たらない場合は、Teams管理者がテナント側でアプリや関連機能を制御している可能性があります。
この場合は、Teams管理センターで承認関連のアプリが許可されているかを管理者に確認してもらう必要があります。
通知設定とアダプティブカードの仕様を理解しておく
承認者がメール通知や承認アクションセンターから先に応答した場合、Teamsに表示されているアダプティブカードは自動的には更新されないことがあります。
カード上の状態とフローの実際の状態がずれて見えることがありますが、これは仕様によるものです。
気になる場合は、承認通知の配信先や通知手段をフロー設計側で見直すのも選択肢です。
そもそも承認が作成されていない・フローがエラーで止まっているケース
通知が届かない原因は、必ずしも通知経路だけにあるとは限りません。
承認自体が作成される前にフローがエラーで止まっているケースもあります。
担当者欄の入力ミスと重複解決の問題
担当者欄に入力したメールアドレスの形式が誤っている場合や、解決できないユーザー指定になっている場合、承認そのものの作成に失敗します。
この場合はフローがエラー終了しているため、通知が届かないのは当然です。実行履歴でエラーの有無を先に確認しておきましょう。
ゲストユーザーを承認者にしている場合の注意点
承認者にゲストユーザーを指定していて、そのユーザーがテナントの招待をまだ承諾していない場合、承認担当者として使えないことがあります。
結果として、承認通知が届かない原因になるため注意が必要です。招待状況はMicrosoft Entra管理センターのゲストユーザー情報から確認できます。
実行履歴でエラーの有無を確認する手順
Power Automateの管理画面でフローを開き、実行履歴から該当の実行を選択してみてください。赤い感嘆符が表示されているアクションがあれば、そこがエラーの発生箇所です。
エラーメッセージの内容をもとに、担当者欄や接続設定を見直していきましょう。
メール通知そのものの一般的なトラブルについては、Outlookのメール通知が来ない・表示されない原因と直し方【2026年最新/新旧対応】もあわせて参考にしてみてください。もう少し広く受信トラブル全般を確認したい場合は、Outlookメール届かない原因と直し方|受信トラブル完全解決【2026】も役立つはずです。
Q&A【よくある疑問まとめ】
まとめ|通知経路の切り分けが解決への近道です
Power Automateの承認通知が届かないときは、メールとTeamsのどちらが届いていないのかを最初に切り分けることが大切です。
メールであれば迷惑メールフォルダや受信フィルターの設定を、Teamsであれば承認関連機能の有効化状況や通知設定を確認してみましょう。
それでも改善しない場合は、担当者欄の入力ミスなど、承認自体が作成されていないケースも視野に入れて実行履歴を確認してください。
ひとつずつ切り分けていけば、意外と早く解決できます。