1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で、有罪が確定して服役した前川彰司さんの再審で、名古屋高裁金沢支部は前川さんに無罪を言い渡しました。
本記事では前川彰司の経歴と疑われた理由、冤罪となった事件の概要と真犯人についてまとめていきます。
前川彰司のwiki経歴
前川さんは1986年に起きた福井女子中学生殺害事件の犯人として逮捕され、服役しますが、ずっと冤罪を訴え続けていました。
前川さんの生年月日は不明ですが、1965年生まれの福井県福井市出身です。
1986年3月19日、福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)が市営住宅で殺害された事件で、1987年3月29日に殺人容疑で逮捕されます。
逮捕当時、21歳だった前川さんは1990年の福井地裁での一審では無罪判決を受けたものの、控訴審(名古屋高裁金沢支部)で逆転有罪となり、懲役7年の判決が確定します(1997年、最高裁)。
前川さんは2003年に満期で出所後、教会や作業所に通う日々を送りながら冤罪を訴え続けます。
2004年に日本弁護士連合会の支援を受け、名古屋高裁金沢支部に第1次再審請求を提出。
2011年に再審開始決定が出ますが、検察の異議申し立てにより2014年に取り消しになり、最高裁への特別抗告も棄却されます。
2022年10月、第2次再審請求を提出。
新証拠(287点の捜査報告書など)により、知人証言の誘導や不当な捜査が浮き彫りになります。
2024年10月23日、名古屋高裁金沢支部が再審開始を決定し、検察が異議申し立てを断念したため再審が確定。
2025年3月6日、再審初公判が開かれ、検察側は新たな証拠を提出せず、前川さんは無罪を主張。即日結審し、2025年7月18日に無罪判決が言い渡されました。
前川さんが逮捕される前の学歴や職業については不明となっています。
前川彰司の結婚
前川彰司さんの結婚に関する情報は確認できませんでした。
前川彰司さん逮捕された当時は独身でした。
:前川さんの家族については、父親(礼三さん、2024年時点で91歳~92歳)、母親(既に他界)、姉がいることが確認されていますが、妻や子供についての言及はありません。
2013年の情報では、前川さんは福井市内で1人暮らしをしているとあったので、この時点でも結婚はされていないと思います。
前川彰司は、なぜ疑われた?素行が原因?
前川彰司さんは中学時代、身長が170cmを超える長身で、バスケットボール部に所属し、部活では人気者だったそうです。
一方で、中学時代からシンナー吸引に手を染め、常習的なシンナー中毒として警察にマークされるなど、非行少年としての側面がありました。
中学時代にシンナー吸引による非行歴があり、警察にマークされていたことが記載されています。これが軽微な補導歴や少年院送致などの前歴に該当する可能性はありますが、成人の前科としては記載がありません。
1学年上の暴力団組員との交流があり、その人物に「使い走り」のような役割を強いられていたとされています。
これらの素行の悪さや、反社会的な人物との関わりが、後に事件で疑われる一因となった可能性があります。
有罪の根拠となった知人証言がデタラメだった
前川さんと事件をつなぐ直接的な証拠はありませんでしたが、決め手となったのは「血の付いた前川さんを見た」などという関係者6人の証言でした。
この知人証言には捜査機関による誘導の疑いが指摘され、2024年の再審開始決定でその不当性が認められました。
どういった経緯で知人が嘘の証言をしたかは不明ですが、前川さんの素行不良や不良グループとの関わりから、知人が警察の圧力や誘導に応じ、虚偽または誇張した証言をした可能性が指摘されています。
まとめ
前川彰司さんが疑われた主な理由は、中学時代からのシンナー中毒や暴力団関係者との交流による素行不良、警察による先入観と強引な捜査、誘導された知人の証言の組み合わせです。
これらが重なり、事件と無関係にもかかわらず容疑者として逮捕・有罪判決に至ったと考えられます。
2025年7月18日の無罪判決で、これらの疑いの根拠が誤りだったことが正式に認められました。
真犯人は誰なのか?福井女子中学生殺害事件の概要
発生日時: 1986年3月20日午前1時半頃
場所: 福井県福井市豊岡2丁目の市営住宅
被害者: 高橋智子さん(当時15歳、中学校を卒業したばかり)
状況: 高橋静代さん(当時39歳、智子さんの母)が帰宅したところ、6畳間で智子さんが血まみれで死亡しているのを発見し、警察に通報。智子さんは自宅で滅多刺しにされ、殺害された。
背景: 静代さんは離婚後、智子さんと2人で暮らしていた。事件当日は智子さんの卒業式で、静代さんはスナックでの仕事のため夕方に出勤し、智子さんが1人で留守番をしていた。
亡くなった高橋智子さんには姉がいましたが、姉は離婚した父親に引き取られています。
この事件では、物証や自白がなく、目撃証言のみに基づいて前川さんが容疑者と特定されました。
当時の警察は事件の捜査に行き詰まった報じられているので、真犯人の目星は全くついていないと思います。