2025年9月16日放送の【ザ!仰天ニュース】では2014年に起きたナッツリターン事件が取り上げられます。
ナッツリターン事件とは2014年12月5日にアメリカのジョン・F・ケネディ国際空港で発生した、大韓航空の副社長(当時)趙顕娥(チョ・ヒョナ)が引き起こした騒動です。
趙氏は、自身の勘違いで客室乗務員のナッツの出し方に怒り、当時チーフパーサーだった責任者の男性を降機させろと騒いで、離陸を遅らせました。
この行為は「ナッツリターン」と呼ばれ、趙氏の権力乱用や大韓航空の家族経営体制への批判を呼び起こしました。
日本では趙氏の行動が、まるで高慢な「お姫様」のような態度として揶揄され、「ナッツ姫」と呼ばれるようになりました。
本記事ではナッツ姫の現在と妹、ナッツリターン事件の詳しい概要をまとめていきます。
ナッリターン事件の詳しい経緯
チョ・ヒョナ。ナッツリターン事件のナッツ姫。離陸後の大韓航空でCAがナッツを袋に入れたまま出したことに激高。機を空港へ引き返させCAに降りろと怒鳴り散らした。人を見下す態度、身勝手、傲慢さが起こした騒動。人は常に感謝の気持ちや思いやりを持ちたいものだ。pic.twitter.com/Oc2hVModNA
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ナッツリターン事件は、2014年12月5日に大韓航空で起きた事件で、韓国社会に大きな衝撃を与えました。以下、時系列で詳しい経緯を整理します。
事件の発端
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2014年12月5日
ニューヨーク・JFK空港を出発し仁川国際空港へ向かう大韓航空86便(KE086便、エアバスA380型機)が滑走路に向かって移動している最中の出来事。 -
当時の大韓航空副社長でオーナー一族の趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏が、ファーストクラスの搭乗者として座っていた。
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客室乗務員が提供したマカダミアナッツを袋ごと渡したことに激怒。
→ 「ナッツは袋から皿に出して提供するのがサービスマニュアルだ」と主張。
機内でのトラブル
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趙副社長は担当客室乗務員を叱責し、チーフパーサーを呼びつける。
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サービスマニュアルを持ってこさせ、確認させるなどして強く追及。
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さらに激怒してチーフパーサーを飛行機から降ろすよう命令。
飛行機の引き返し
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航空機はすでに滑走路へ向けて移動していたが、
→ 機長に命じてゲートに引き返させるという異常な行動に出た。 -
これにより、離陸が約20分遅延。
事件後の波紋
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この出来事は「財閥一族の横暴」として韓国社会で大炎上。
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「ナッツリターン事件」と呼ばれるようになる。
- 趙顕娥(チョ・ヒョナ)は「ナッツ姫」と呼ばれるようになる。
ナッツ姫の現在
ナッツ姫こと趙顕娥氏は、事件後に一度復帰するも、経営権争いで主導権を失い、現在は事実上経営の一線から退いています。
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2014年12月
事件発覚と同時に大韓航空副社長職を辞任。 -
2015年2月
ソウル地裁で懲役1年の実刑判決。 → 服役開始。 -
2015年5月
控訴審で執行猶予付き判決に減刑、釈放。 -
2016年3月
大韓航空の経営に復帰(持株会社・韓進KALの専務などに就任)。 -
2018年
妹・趙顕ミン(チョ・ヒョンミン)の「水かけパワハラ事件」が報じられ、一族全体が再び世論の激しい批判を浴びる。 -
2019年4月
父である趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長が死去。 → 後継をめぐり、兄弟間の経営権争いが激化。 -
2020年以降
兄・趙源泰(チョ・ウォンテ)会長の経営体制に反発し、妹の趙顕ミンと共に「姉妹連合」を結成して株主総会で経営権奪還を試みる。
→ しかし最終的には失敗、経営の主導権は兄側に。 -
現在(2025年時点)
大韓航空や韓進KALの経営には直接関与しておらず、名誉職や家族企業関連の役割にとどまる。韓国世論では依然として「財閥令嬢の象徴」として否定的イメージが強い。
ナッツリターン事件後、ナッツ姫は4度にわたり自宅差し押さえられ、離婚にDV騒動、後継者争いの敗北するなど、多くの苦難を経験。
現在は何の地位もお金もない状態になっています。
水かけ姫(妹)の現在
ナッツ姫には妹の趙顕ミン(チョ・ヒョンミン)がいます。
2018年3月、 当時大韓航空の専務だった趙顕ミン氏が、広告代理店との会議で、社員が自身の質問に答えられなかったことに激怒し、コップの水をその社員の顔にぶちまけたとされるパワハラ事件を起こします。
その際の音声はニュース番組でも取り上げられ、よもや言語にならないほどの金切り声をあげた趙顕ミン専務の様子が録音されていました。
この事件がきっかけで、趙顕ミン氏は「水かけ姫」と呼ばれるようになります。
「水かけ事件」後、趙顕ミン氏は大韓航空の専務職を解任され、警察の捜査を受けました。事件では、広告代理店の社員に水をかけたとされるパワーハラスメントが問題視され、韓国国内で大きな批判を浴びました。
その後、2019年頃に韓進グループ関連の役職に復帰したと報じられていますが、具体的な現在の役職や業務内容については不明で、目立った公の動きは報じられていません。
ナッツリターン事件のその後
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ブランドイメージの失墜
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「ナッツリターン」で韓国財閥の横暴を象徴する出来事として世界的に報道。
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企業イメージは急落し、韓国国内外で顧客離れが発生。
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ガバナンス改革要求の高まり
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韓国政府は航空保安法を厳格化し、経営陣の運航介入を防止する制度を強化。
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大韓航空も「乗務員への権限付与」や「内部告発制度の導入」など改革を実施。
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韓進グループ内の混乱
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2018年以降、姉妹の不祥事が連続して報道され、オーナー一族全体への批判が拡大。
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父の死後、兄妹間の経営権争いが表面化し、経営の不安定要因に。
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構造再編と国際戦略
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業績悪化とイメージ低下を背景に、政府・金融機関の支援を受けつつ再建を模索。
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2020年にはアシアナ航空の買収を発表(統合による世界7位規模の航空会社を目指す)。
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これはコロナ禍での生き残り策としても位置付けられた。
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ナッツリターン事件は、ファーストクラスでのナッツ提供方法に激怒した大韓航空副社長が、航空機を引き返させ、乗務員を降ろしたことから始まりました。
「個人のわがままが航空機の運航を左右する」という前代未聞の事件として韓国社会に衝撃を与え、財閥の権力濫用に対する批判を呼び起こしました。