みつリン食堂

八王子スーパーナンペイ事件の犯人はモトムラ?なぜ犯人は特定されない?

1995年7月30日夜、東京都八王子市大和田町のスーパーマーケット「ナンペイ大和田店」の2階事務所で、パート従業員の女性(47歳)とアルバイトの女子高校生2人(17歳と16歳)が、拳銃で頭部を撃たれて殺害されました。

 

事件発生から30年が経過した2025年現在も、犯人は特定されておらず、「平成三大未解決事件」の一つに数えられています。

 

警視庁は継続捜査中ですが、なぜ犯人は特定されないのでしょうか?

本記事では事件の概要と、捜査線上に浮上した容疑者(犯人)についてまとめていきます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

八王子スーパーナンペイ事件の概要

1995年7月30日(日曜日)夜、東京都八王子市大和田町のスーパーマーケット「ナンペイ大和田店」の2階事務所で、以下の被害者が拳銃で頭部を撃たれ殺害されました。

 

・パート従業員の稲垣則子さん(47歳)
・アルバイトの女子高校生の矢吹恵さん(17歳)と前田寛美さん(16歳)

 

事件の詳細

  • 発生時刻: 閉店直後の午後9時頃(推定5分以内の犯行)
  • 手口: 犯人は被害者をガムテープで縛り、金庫(約526万円が入っていた)の開錠を迫った形跡があるが、現金は奪わず逃走。金庫には弾痕が残る。
  • 特徴: 拳銃(フィリピン製の可能性)を使用した残虐な犯行。被害者は無抵抗で、動機(金銭目的か怨恨か)は不明。
  • 物的証拠: 指紋(100点以上、未特定7点)、足跡(鉄粉付着)、たばこの吸い殻(70本以上、DNA不一致)、弾丸の線条痕など。ただし、犯人特定に直結せず。
  • 目撃情報: 事件直後に白いセダンで去った若い男女の情報があるが、素性不明。

犯人はなぜ特定されない?

この事件が未解決のまま長引いている主な要因は、犯行の巧妙さと証拠の少なさとされています。

以下に主な理由をまとめます。

 

要因
詳細説明
物的証拠の不足
現場から犯人のDNAが特定できるものは採取されていません。周辺で回収した70本以上のたばこの吸い殻からDNA型を抽出しましたが、犯人と一致するものはなく、捜査の糸口になっていません。また、指紋は100点以上採取されたものの、未特定のものが7点残り、犯人に直結していません。足跡には鉄粉が付着していましたが、これも特定に至らず。拳銃の線条痕(銃身の傷跡による弾丸の痕)も希少な手がかりですが、銃自体が回収されていないため、犯人像の絞り込みが難しいです。
犯行の計画性と残虐さ
犯行は閉店直後(日曜日で売上金が多いタイミング)を狙い、被害者との接触を最小限に抑えました。女子高生2人をガムテープで縛り、パート女性に金庫の開錠を迫った形跡がありますが、途中で中断し射殺。金庫に弾痕が残る一方、現金は奪わず逃走したため、動機(金銭目的か怨恨か)が不明瞭です。この「短時間」の犯行が、目撃情報や足取りの追跡を妨げています。
捜査の難航
これまでに22万人以上の捜査員が投入され、フィリピン(拳銃の製造元)まで捜査を及ぼしましたが、犯人像が絞れず。事件直後の目撃情報(白いセダンで去った若い男女)も重要視されていますが、素性が不明。時効廃止(2010年)後も情報提供を呼びかけていますが、新たな突破口が見つかっていません。

 

 

警視庁は現在も懸賞金をかけ、情報提供を求めています。2025年7月には事件現場を再現した模型や新たなポスターを公開するなど、風化防止に努めています。

モトムラとは?

「モトムラ」(本名不明、中国福建省福清市出身の男性とみられる)は、2010年頃に警視庁捜査1課が極秘で追跡した有力な容疑者の一人です。

以下にその経緯をまとめます。

 

  • 浮上した経緯: ある日本人受刑者は「モトムラ」から「八王子の強盗殺人の現場を踏んだ」との告白を聞かされ、後輩の中国人男性は「日曜日に金庫の金が多いことを実行役に伝えた」「従業員が3人もいて驚いた」と供述。モトムラは都内拠点の中国人強盗団の中心人物で、拳銃やガムテープを使った類似犯行を繰り返していたとされます。
  • 捜査の詳細: 2008~2014年頃、錦糸町(モトムラの出入り場所)で聞き込みや潜入捜査を実施。中国でも情報収集しましたが、モトムラ本人は行方不明のまま。関連する中国人男性「X」(カナダ逃亡後、身柄引き渡しで逮捕)が重要証言の可能性がありましたが、「家族に危害が及ぶ」と口を閉ざし、ナンペイ事件の追及は進まず、別件で執行猶予判決を受け帰国。Xの取り調べも不十分で、捜査方針の変更がネックとなりました。
  • 犯人の可能性: モトムラは事件の手口(拳銃使用、粘着テープ)と一致し、情報源の信頼性が高いため有力視されましたが、物的証拠(DNAや指紋の一致)がなく、特定に至っていません。中国国内や錦糸町では事件に関する噂(「パニックで殺した」)が今も残っていますが、30年経過で手がかりが薄れています。

 

モトムラが犯人である可能性は否定できませんが、確証はなく、他の説(日本人による怨恨犯行など)も残っています。

 

モバイルバージョンを終了